東京独歩記(とうきょうひとりあるき)

上京とか挫折とかアル中とか結婚とか子供とか、承認欲求とか、自己顕示とか。

中2の時の横恋慕

中学2年の時、1つ上のN先輩に恋をした。 学内で目立つような人気者というわけでもヤンキーというわけでもない、ふつーの女の子だった。 それでも僕には、N先輩が視界に入っただけでも、血液が沸騰し、全身の毛が逆立つのが自分でもわかるほどその先輩が輝い…

電波ちゃん

子供の頃、じゅくじゅくの柿が散乱してる田舎道で、近所のガキから、「お前は天才だ」と吹き込まれた時から、私の電波系は始まった。 そのガキ曰はく、「ひつじ年生まれで、双子座の人間には天才が多い」ということらしく、私がまさにその条件に一致したため…

母よ あなたは強かった

母は今年の8月で64歳。 なんとこの年にして、故郷福岡の自宅を売り払い、全てのしがらみを捨て、息子と孫が暮らす街、花の都大東京へと引っ越してきたという、なかなかの傾奇者。 そんな母を形作る要素の一つに、「言葉のファウルチップ」というものがある…

腐れ縁

来る日も来る日も終わりなき、郵便配達というルーティンワーク。 かつてあれほど忌み嫌い、唾した、欺瞞と怠慢の巣窟である郵便局の仕事こそが、僕が唯一勤め得る職業であり、これから先も続いていく東京での生活の、その基底をなすものとなる運命であったと…